最新の国際結婚事情と日本人の配偶者等ビザ
現在、日本国内における外国人住民の数は増加傾向にあり、それに伴って国際結婚の形も多様化の局面を迎えております。外国籍のパートナーと日本国内で共に暮らし、平穏な家庭を築いていくためには、避けて通ることができない重要な手続きが、在留資格「日本人の配偶者等ビザ(以下、配偶者ビザと表記します)」です。
タナカイサオ行政書士事務所では、これまで数多くの外国人の方々、そしてその方々の配偶者様をサポートしてまいりましたが、近年の出入国在留管理庁(旧入国管理局)における配偶者ビザの審査は、過去に類を見ないほど厳格化しています。政府が2026年1月に方針を示した在留資格全体の総点検および運用見直しの報道に表象されるように、地域の役所で「婚姻届が受理された」という形式的な事実だけでは、入管の許可を得ることは困難な時代となってきています。初めて国際結婚の手続きに臨まれる方々が、古い情報により迷ってしまい、不許可処分を受けてしまうことを防ぐために、本稿では配偶者ビザの基礎的な特徴を解説をさせていただきます。
就労制限がない配偶者ビザ
他の多くの在留資格と比較して圧倒的なアドバンテージと言えるのが、日本国内における就労活動の制限が殆どない(医師や弁護士等一部例外があります)のが配偶者ビザです。一般的な就労系ビザのように、母国や日本での過去の学歴、職歴と、これから従事する予定の業務内容との間に厳密な関連性を求められることはございません。また、「技術・人文知識・国際業務ビザ(以下、技人国ビザと表記します)」では原則として認められない現場での単純労働とされる職種や、パートタイム、アルバイトといった雇用形態であっても、自由に働くことが可能です。
さらに、自ら起業して会社を設立し、経営者として事業を営むことも制限がございません。このように活動の幅が広がるため、外国人配偶者の方にとっては、日本でのキャリア形成やライフプラン設計において大きな後ろ盾となります。ただし、このように日本人に近い権利が付与される在留資格であるからこそ、出入国在留管理庁による審査は厳しく設定されているという裏返しの事実を忘れてはなりません。権利が広範である分、その資格を得るための実態調査や身分関係の確認は、他の資格以上に綿密に調査が行われる仕組みになっています。
技人国ビザから配偶者ビザへの変更時に求められる実務上の注意点
現在、すでに日本国内の企業で正社員などとして勤務し、技人国ビザを保持して在留されている外国人の方が、職場で日本人と恋に落ち、婚姻を機に配偶者ビザへと変更申請を行うケースは非常に多く見られます。技人国ビザから配偶者ビザへの切り替えには、実務上、特有の注意点が存在します。就労ビザのままであっても日本に滞在し続けること自体は可能ですが、将来的な永住権の申請を視野に見据えた場合や、現在の職種に縛られずに自由なキャリア、起業に挑戦したいという場合には、配偶者ビザへの変更を早めに検討されることを強くお勧めします。なぜならば、配偶者ビザは申請を行ってから許可が降りるまでに時間がかかるケースが多いからです。そして、近年その期間がさらに長期化されることが予測されています。
配偶者ビザの申請には、現在の就労状況や会社の経営安定性、経済基盤、そして何より夫婦としての結婚生活の実態の有無、変更申請の際に出入国在留管理庁の審査官に必要書類を添えて、詳細に説明しなければなりません。特に、結婚に伴って現在の会社を退職、転職をする予定がある場合や、起業する場合などは、生計維持能力の継続性に疑義を持たれやすいため、書類作成が求められることになります。
出入国在留管理庁が厳しく審査する婚姻の真実性と生計維持能力の壁
配偶者ビザの審査において、出入国在留管理庁が最も厳しく審査するのは、その婚姻関係が法律上のものであるだけでなく、実体を伴った真正なものであるかという婚姻の真実性です。これは、過去に横行した偽装結婚を排除するための措置であり、おふたりの出会いから交際、そして結婚に至る詳細な経緯(交際中の写真や結婚式の写真を20枚用意する必要があります)、具体的な意思疎通の方法、さらには双方の親族への報告状況までが細かく確認されます。もうひとつの大きな壁が、日本国内で安定的かつ継続的に独立して生活を営むことができるかという生計維持能力、経済基盤の証明です。一律の基準額が行政より公表されているわけではございませんが、一般的には世帯全体の安定した収入や納税義務、社会保険料の適切な納付実績がチェックされる傾向にあります。
過去に住民税の未納や遅延があったり、年金や健康保険の支払いを怠っていたりする場合は、それだけで審査において著しく不利な評価を受ける原因となります。これらの生計維持や公的義務の履行に関する証明は、単に課税証明書を提出すれば済むというものではなく、万全の準備を整えて申請に臨む必要があります。
タナカイサオ行政書士事務所は初回・更新申請から許可までを安心サポート
配偶者ビザの申請手続きは長期間に渡り、審査官とやり取りが必要で、大変なストレスと不安が伴うものです。日本人同士であれば地域の役所に書類を1枚出せば完了することでも、国際結婚はそういきません。当事務所では、書類の代行作成を行うだけでなく、審査官が「おふたりが作成した書類のこのあたりを厳しく確認してきます」等の書類の事前準備確認や、審査官との想定問答シミュレーションを行います。
外国人配偶者の方との新しい日本での生活を、安心感を持って確実にスタートさせるために、少しでも手続きに不安を感じられた際は、まずは当事務所までお気軽にご相談くださいませ。
