自社申請で何度も「資料提出通知」が届く理由

 出入国在留管理庁(旧入国管理局)に在留資格の申請を行った後、手元に資料提出通知書が届き、戸惑われる企業の人事担当者様は少なくありません。この通知は、いわゆる追加書類の提出を求めるものであり、現時点で提出されている書類だけでは許可を出すための判断ができないという審査官からの問い合わせです。自社申請において、なぜ何度もこのような通知が届いてしまうのか、その背景には明確な理由が存在します。本稿では、企業の皆様が直面しやすい審査実務の難所と、行政書士に依頼することによるメリットについて解説いたします。

審査官の意図を正確に汲み取ることの難しさと書面主義の壁

 出入国在留管理庁の審査は、対面での面接ではなく、提出された書面のみで全てを判断する書面主義によって行われます。資料提出通知書が届いた際、多くの企業様は文面に記載された書類の名称だけを見て、該当する既存の資料をそのまま提出してしまいがちです。しかし、審査官が本当に知りたいのは、その書類の背後にある法的な適合性の証明であり、単に指定された名前の書類を揃えるだけでは根本的な疑義の解消に至らないケースが多々ございます。審査官の意図を正確に汲み取り、どの証明が不足しているからこの資料を求めているのかという点を理解しなければ、何度資料を提出しても追加の通知が届く、あるいは最終的に不許可処分が下されるという結果を招くことになります。

行政書士による職務関連性の証明サポート

 日本の就労ビザの根幹をなす「技術・人文知識・国際業務ビザ(以下、技人国ビザと表記します)」の審査においては、申請人が学校で修めた専攻分野と、受入企業で従事する予定の職務内容との間に、直接的な関連性があること、すなわち職務関連性の立証が重要視されます。自社申請で何度も追加書類を求められる典型的な事例として、職務内容説明書や雇用契約書に記載された業務範囲が抽象的すぎたり、広範に渡りすぎたりすることが挙げられます。行政書士は、企業の事業内容、組織図、および実務詳細を詳細にヒアリングし、申請人がその専門的知識を現場で不可欠に発揮することを書面で説明するサポートをいたします。この書類作成が最初から完璧に構築されていれば、審査官に無用な疑義を抱かせず、結果として資料提出通知が届くリスクを最小限に抑えることが可能となります。

企業・外国人を双方サポートする体制と最新の審査基準への対応

 在留資格の申請手続きは、受入企業側の経営健全性や法的な適格性と、外国籍の申請人本人の経歴や能力の双方が同時に審査されるシステムです。そのため企業側と外国人の双方を包括的にサポートし、提出書類全体の整合性を整える体制が不可欠です。審査基準や内部の運用ルールは、社会情勢や労働市場の変化に応じて常に変動しており、企業様が過去の経験に基づいて同様の手法で申請を行っても、現在の厳格な基準に合致せず追加対応に追われる事例が後を絶ちません。最新の審査傾向を知悉している行政書士が介在することで、新設企業や中小企業、派遣形態といった複雑な雇用構造であっても、個別の実態に応じた的確な書面作成を最初の申請時から提示することができます。

不許可処分を受けたデータの履歴は出入国在留管理庁に記録が残る

 一度自社で申請し、証明不足や書類の不備によって資料提出通知への対応を誤ると、不許可処分に発展してしまう危険性が高くなります。一度不許可処分を受けたデータの履歴は出入国在留管理庁に記録されるため、再申請においてその判断を覆すためには、当初の申請内容における説明不足であった箇所を補強し、曖昧であった表現箇所を的確に修正せねばならず、時間的・経済的損失を被ることになります。

業務の効率化と不法就労リスクを未然に防ぐコーポレートガバナンス

 自社申請によって何度も資料提出通知が届き、その都度人事担当者様が通常業務を中断して書類の作成や当局との往復に時間を取られることは、組織の生産性という観点からも看過することはできません。手続きが長期化し、万が一現有の在留期限を過ぎてしまうような事態が生じた場合、意図せず不法在留(オーバーステイ)や不法就労助長罪という重大な法律違反を引き起こすリスクすら内包しています。日本行政書士会連合会が実施する「申請取次事務研修会」を修め、出入国在留管理局へ届出を行い、「申請等取次者証明書」の交付を受けた申請取次行政書士なら書類作成のみならず、本人の入管出頭免除、窓口手続き、結果受け取りまで代行できます。本人出頭の原則が免除される申請の種類と在留資格ごとの審査のポイントは多岐に渡るため、

 専門の行政書士に手続きを依頼することは、適切なスケジュール管理と確実な在留許可取得を通じて、経営資源を本業へ集中させるという大きなメリットをもたらします。もし自社での申請や追加書類の対応に少しでも懸念がある場合は、書類申請に着手する前にタナカイサオ行政書士事務所にご相談ください。